ここ数年、遠くのものが見えづらく、
今月、会社の健康診断で両眼の視力が0.4と診断されて、

これでは次回の免許更新にも差支えがあるので、
人生で初めて眼鏡を作ることにしました。


あかねも、亡くなる数年前から眼鏡を必要としていました。

あかねの掛けていた眼鏡は、黒縁のシンプルな眼鏡。

僕も、あかねの眼鏡に似せた、
(そしてバディ・ホリーや佐野元春といった昔から好きなひとたちが掛けていた)
黒縁の眼鏡を、今日作りました。

たぶん、当面車を運転する時くらいにしか装着しないかとは思いますが、
眼鏡を掛けることは、
自分の人生の段階が、“次”の段階に移ったように思えます。


先月、七回忌を執り行って、
6年の時間をやり過ごしてきたことを確かめたと同時に、
この先の未来の永さを想い、
気が遠くなる想いがしました。

人生は、急にスピードを上げたりはしてくれない。

一日、一日を、
地道に潰していくことでしか前に進めない。


“終わり”が、
一日も早く訪れてほしい
僕のような人間にとっては、

眼鏡が必要となった年齢になったことで、
ゴールに向けての道のりが、ほんの少しだけど、
“キュッ”と短縮されたようで、

いつもの一日よりは、

“終わり”に近づけたような気がしました。


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もうすでに10日余り時間が経過しましたが、
節目として、
七回忌のことを書き残しておこうと思います。

4月19日
あかねの七回忌を執り行いました。
あかねの両親と、
歩くことにさえ足元がおぼつかない、あかねの母親をサポートするために付き添ってくれたあかねの従妹夫妻と、
そして、僕。

こじんまりと節目の法要を執り行いました。


お寺での法要後、
皆で食事をしました。

身内だけの食事の席で、あかねのことはあまり話の話題に上がりませんでした。

この前のあの店での食事は美味しかった・・・
今度はあそこの店に行こう・・・

歳の近いあかねの両親と従妹夫妻はそんな話で盛り上がっていました。

年代の離れた僕は、ひとりそんな4人の黙って会話を聴き流しながら、

「それだけ時間が経ったんだな・・・」

と思いました。


未来の“愉しみ”を語ること。

僕にはまだ出来ないことを、彼らは語っている。
そんなことを話し合えるだけの時間が、
経ったんだな・・・。




あかねのことがあまり語られないその席に、僕は、少しの寂しさを覚えながら、

そして、
期待や希望を込めた「未来」を語ることのできない僕は、

果たして、正しい道を、
あかねが望んでいる道を、
歩いているのか?

わからなくなりました。


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先日の日曜日のこと。

19日に迎えるあかねの七回忌に備えて、
お墓の掃除をしておこうと、あかねの眠る墓地に赴き、
この時期にしては少し暑いくらいの陽気のなか、
黙々と、草むしりをしていたら、


なんとなーく見覚えのある女性が、
むらさき家の墓石のそばに近づいてきていることに気づきました。


「あれーっ!!Oさん!!」


彼女は、あかねの高校の同級生のOさんでした。

あかねの祥月命日を間近にして、旦那さんを連れ立ってお墓参りきてくれたのでした。


Oさんとはあかねの生前何度もお会いしたことがあり、披露宴にも来てくださり、
披露宴の余興で、ピンクレディーの「渚のシンドバッド」を振り付けで踊ってくれた方です。
結婚前も、結婚後も何度もお会いしましたが、
今日お会いしたのは、おそらくあかねの葬儀以来です。


思いがけず、久しぶりに、お会いできたOさんに、
あかねに逢いに来てくれた感謝の言葉を連ねているうちに、

もうひとり、

今度は老齢の男性が現れました。

あかねの父親でした。


「あれーっ、マジかっ!」


お義父さんも、七回忌に備えてお墓の掃除にやってきたのでした。

今日はあかねの実家に申し合わせをしていなかったので、僕一人で掃除をしてそそくさと帰るつもりでしたが、
考えていることは同じでした。

あかねの父親とOさんは顔見知りでもあり、お義父さんはOさんとあかねのお墓で会えたことにとても感激したらしく、繰り返し感謝の言葉をOさんに伝えていました。

七回忌を直前にして、あかねの墓前がにぎやかになったことはとてもうれしいことでした。




あれから6年が経って、
あかねのことを、想い浮かべる人たちはどのくらいいるのだろう?

あかねの両親と、そして僕。
あの日から、一日たりともあかねに想いを馳せなかったことはないだろう。

そして、

決して毎日ではなくにせよ、
折にふれて、
あかねのことを想い出してくれるくれるひとたち、
心の中にあかねを生かしてくれている人たち、
どれだけのひとたちがいてくれるだろう?


あかねのことです。

生前、たくさんのひとたちを、
魅了したはず。
(いちばんあかねに魅せられたのは僕だと自負していますし、あかねと夫婦でいられたことに誇りも持っています)

願わくば、多くの人たちの胸に、
今でもあかねが息づいていますように。

あかねという、
チャーミングな人間が、
忘れられることなく、
たくさんの人たちの記憶に留まってくれていますように。

偶然、Oさんにお会いできたことで、
きっとその願いは叶っているんだろう・・・

そう思えました。


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お知らせ
これまでにほんブログ村の「子宮がん」カテゴリに参加していましたが、思うところがあり、登録をはずさせていただきました。ご了承ください。
プロフィール

むらさきせいじ

Author:むらさきせいじ
2011年春、妻をなくした40代です。
本当に本当にありふれた人間ですが、人生の半ばともいえる40代で世界中でいちばん大切な人を喪失したことはそれなりに特異なことだと思います。
そんな状況におかれた心情を綴っていくことで少しでも心が解放されたらと思っています。
プロフィールのサムネ画像は、妻が描いた僕の顔です。

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