吐き出す?飲み込む?

Category : 吐息とも吐かないつぶやき

昨夜のことになりますが、ほんとうに久しぶりに外で呑む機会がありました。

一月まで勤務していた会社でのクライアントの人が誘ってくれました。
クライアントの方が二人、もともとそのクライアントに在籍していたけれど病気で仕事を退かれた方が一人、と僕の四人での飲み会でした。

元クライアントとは言え、皆さんフレンドリーな方ばかりなので、クライアント(僕以外の三人)対受注業者(僕)的なヒエラルキーを意識することなく楽しく呑ましてもらいました。
(僕が退職した今となっては事実上そんなものはないのですが)


でも、まったく気を使わなかったか?と言われれば、そうではありません。


「あのこと」は極力話題にしてはいけない。


という、自分へのブレーキは常に意識していました。

「あのこと」とはもちろんあかねのことです。

その日席を囲んだ僕以外の三人は、僕が妻と死別したことを承知しています。
せっかく誘ってもらった席を、沈んだ雰囲気に陥れては面目ない。
そんな気持ちが常に自分自身に作用していたと思います。

けどその反面、白状すれば、

今の自分の赤裸々な心情を誰かに聞いていもらいたい。

という気持ちがあったことも事実です。
とにかく、自分の胸のうちでうごめいているものを生身の人間に対して吐き出したい。

実際、話の流れのはしばしで、僕は自分の正直な気持ちを吐露してしまったとは思います。
でも、トータルとしてはアルコールの力をもってしても、僕の気持ちは決壊をすることなく済みました。

ほんとに微妙なところです。

未だに気持ちの奥底は、あかねへの未練をたっぷりと湛えて暗く淀んでいながら、
酒に誘ってくれるような好意的な人たちの前ではバリアーを張って、思いのたけを飲み込む。
「あんなことはあったけど、今はもう落ち着いてます」という仮面をつける。
(厄介なことに、こうした自制心は、好ましく思っている相手にほど強力に作用します)

そして、そう振舞ったほうが、結果的には自分自身のストレスも最小限に抑えられる。
(つまり、相手の心理的負担をかえりみず気持ちをぶちまけてしまった、という自己嫌悪にさいなまれることは避けられる)

しかし、本音では誰かに受け止めて欲しいという「矛盾」。


この先、こうした矛盾を自分のなかで処理していけるのか?

自分自身への新しい難問がクリアになってしまった夜でした。

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コメント:

No title

とってもとっても良く分かります!!

ほんとにそうです。

常に人前では・・・・吐き出したい、いや吐き出せない・・・です。

まだまだ、仮面状態です。

Re: No title

serenaさんへ

コメントありがとうございます。

そうですよね。無理っすよね。

でも、その無理はどこかでいっぱいいっぱいになって無理が利かなくなるんですよね。
(その一例は、最新の記事「観賞上の注意」を参照ください)

その意味でこのブログは、自分を自ら縛り付けているロープを少し緩める作用を果たしてくれています。
serenaさんをはじめ、いろんな方からいただくコメントが、仮面を留める紐をほどいてくれます。

ありがたく思っています。

No title

むらさきさん、こんばんは。
前に自分のブログに書いたことですが、内にこもっていても、
外に出ても、自分の悲しみの重さはちっとも変わらないのです。
それを友人に話したら「外に出ても人と話さなければ変わらないよ」と
言われました。
その通りだと思いました。
ただ、それを誰に話すのか。自分を心配して遠くから駈けつけてくれたり電話をくれたりする相手には、気を張って、落ち着いている様子で
話してしまいますね。
呑み込んだ分、後で反動がきます。
今のところ、ブログに思いのたけを吐き出してます。

私は東京のヒトなので、地元にある「配偶者を失った人を支える会」
メーリングリストでの交流がメイン
または「ほほえみネットワーク」
グループで死別体験を語り合うミーティングがメイン
等のグリーフケアに参加することも考えましたが、まだ自分の中での
消化段階じゃないかなと思って参加を見合わせてます。

もし、むらさきさんがこういう会に関心がおありなら、検索すれば
すぐサイトが見つかるので、調べてみてください。


昨日今日と、発送した香典返しの品があちこちに届いたらしく、
お礼の電話が多いのですが、「どう?身体はだいじょうぶ?」
で始まり、「頑張ってね」で締めくくられるやり取りに、
どう返事をしていいか戸惑ってました。
身体は大丈夫だけど、心のほうは大丈夫じゃないと言いたい
気持を抑えました。

Re: No title

うらんさん

コメントありがとうございます。

> 今のところ、ブログに思いのたけを吐き出してます。

僕もまったく同じです。

> 身体は大丈夫だけど、心のほうは大丈夫じゃない

僕には弟がいるのですが、あかねが亡くなって間もない頃、心配した弟が様子うかがいに送ってきたメールに返信した内容とモロ同じです。

グリーフワークに関する本も読んでみました。
宗教家が書いた本も読んでみました。

僕は情けなく「もがいている」最中です。
でも、もがかなければ・・・とは思っています。
「死んでるように生きてはいけない」
生きたくてもできなかった大切なひとに顔向けできませんもんね。
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お知らせ
これまでにほんブログ村の「子宮がん」カテゴリに参加していましたが、思うところがあり、登録をはずさせていただきました。ご了承ください。
プロフィール

むらさきせいじ

Author:むらさきせいじ
2011年春、妻をなくした40代です。
本当に本当にありふれた人間ですが、人生の半ばともいえる40代で世界中でいちばん大切な人を喪失したことはそれなりに特異なことだと思います。
そんな状況におかれた心情を綴っていくことで少しでも心が解放されたらと思っています。
プロフィールのサムネ画像は、妻が描いた僕の顔です。

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