あかねが暮らしていた町_おまけ旅3(最終日)

Category : 旅ログ

小豆島まで来たものの、この日の計画はほぼノープランでした。

とりあえず、泊まったホテルから南に走ると灯台があるとのことだったので、そこまで行くことにしました。

目的地にはほどなく到着したものの、風は相変わらず冷たく、場所が半島の先端に建つ灯台だけに風が吹きっさらしで、見物もそこそこに車中に戻るはめになりました。

・・・という具合にスタートでは少しつまずいたものの、次の目的地に向かう道中では普段めったに出会うことのできないものに遭遇することができました。

野生の鹿です。

S字カーブの最初のカーブを曲がったところで、目の前に現れました。

20120126_1.jpg

あわててカメラを取り出し、

「そのまま、じっとしとけよー」

とつぶやきながら、デジカメを立ち上げました。

はじめは「じぃーーー」っとコチラを見ていましたが、僕がカメラを向けると、
「さっ」と身をひるがえして逃げ始めました。

「おいおい、じっとしとけって!」

結局、写真に納まったのは、必死に逃げ去ろうとしている鹿の姿でした。
しかもあわてたもので、ピンもボケボケです。

「しかし、こんなところに鹿がうろついてるなんてすげぇなー」

などとのんびりしたことを思いましたが、小豆島では野生の鹿や猪などが生息し、農作物への被害も問題になっているそうです。



鹿と別れたあとは、しばらく海沿いを走りました。

20120126_2.jpg

高知で見た太平洋とは違って、いたって穏やかな海です。

今の時期は寒くてとても無理だけど、春の頃なら半日くらいボーっとできそうだな、と思うような砂浜があちこちにありました。


海か?山か?と問われれば、僕は海を選びます。

新婚旅行もインド洋の南の島でした。
その新婚旅行以来、海で泳いではいないので一抹の不安はあるのですが、10代の頃は泳ぎが得意で水に対する苦手意識もありません。
そもそも生命は海から生まれたのだから、DNAが自然と海を求めるのかもしれません。

いつかは海のそばでひっそりと暮らしたい・・・そんなことをぼんやりと思いました。


次に訪れたのは「オリーブ園」です。

小豆島は古くからオリーブ栽培が盛んです。
この旅行であかねと僕の両親にお土産を買うことをすっかり失念していたので、ここで見繕っていこうと考えたわけです。

それともうひとつの理由があります。
このブログで何度か書いたように、僕は癌患者のための食事療法指南本を読んで一時期そのレシピを実際に作っていた時期があります。
その本での調理用の油は「ごま油」か「オリーブ油」でした。

そのせいで、今でも自炊するときは、ごま油かオリーブオイルしか使いません。
ということで、オリーブにはそこはかとない親しみがありました。


オリーブと言えば、ギリシャが連想されますが、オリーブ園には地中海の雰囲気を演出した建物がいくつかありました。

20120126_3.jpg

だだし、ここに来るならやっぱり日差しが暖かい季節にかぎります。
こんなに寒いと地中海を連想しようにも無理があります。
暖かい時期ならそれなりの雰囲気に浸れると思います。

さて、ここを訪れたそもそもの目的であるお土産ですが・・・
旅行先でお土産を選ぶのはいつもあかねで、僕はいつもまかせっきりでした。
なのでお土産を選ぶことには不慣れです。

散々思案したあげく「オリーブそうめん」なるものを買いました。
小豆島は「オリーブ」と「そうめん」と「醤油」が名産品です。
三つの名産のうちふたつをカバーすればそれなりに土産らしくなるだろう、と安直な発想で選びました。
(結局、あとから別の土産物屋で「醤油ドーナツ」なるものも購入し、三大名産品のすべてをそろえて悦にいりました。)



オリーブ園を後にすると、島の南岸を西に向かいました。
(この日の道程は、おおむね島の南岸を東から西に向かう道程でした)

「醤の郷(ひしおのさと)」を歩いてみよう、思いました。

醤の郷とは、その名の通り昔ながらの醤油蔵が立ち並ぶエリアです。

ほんとにこればっかりはあかねの趣味とは相容れないのですが、僕はこういう「昔のもの・古いもの」に惹かれる傾向があります。(それも年々強くなっているふしがあります)
ここ数年あかねと行った旅行には、そのコースのどこかにそういった「古いものを愛でる」コースを僕が組み込んでいて、あかねに退屈な想いをさせてきたことと思います。

そして、今回も懲りずに醤の郷で車を止めて、あたりを散策しました。

20120126_4.jpg

なるほど、あちこちに風情のある醤油蔵が立ち並び、醤油の香ばしいにおいも漂ってきます。

でも、

ここでも、あまりの寒さにブルゾンのフードをかぶったまま歩いている僕以外に観光客はほぼ見当たらず、寒々しい雰囲気は否めませんでした。
季節が良かったら、自転車を借りてまわったら気持ち良いだろうな・・・、
もう少し人出もあるだろうな・・・。

ここでも、寒さにしてやられた・・・という感じです。

寒さに耐えながらも界隈をひとまわりして、車に戻りました。


車のエンジンをかけると、今度は、フェリーが出る港に向けて東から西に向かって車をスタートさせました。

あまり下調べをしなかったことが災いし、結局バタバタと動き回っただけで、この日に限って言えばあまり島の雰囲気を存分に吸収することはできなかったと思います。
来島時に考えていた、島暮らしの空気感を感じ取るにはあまりにいきあたりばったりでした。

でも、小豆島ならその気になれば日帰りでこれる場所です。
くどいようですが「暖かい時期」に、作戦を練ってまたあらためて来ようと思いました。

そして、そんな想いを抱きつつ、今回の旅をひとまずここで終わらせることにしました。


もともとは、あかねが10代の前半まで暮らしていた場所を見てみたい、という動機でスタートした旅行ですが、結局は四国を半周し、最後は瀬戸内海の島までやってきました。

3泊4日の行程でした。
新婚旅行を除けば、こんなに長い旅行をしたことはこれまでなかったように思います。
あかねと毎年ゴールデンウィークに出かけた旅行はいつも1泊2日でした。

今度の旅では、あかねは僕に話しかけることこそしてくれませんでしたが、いつも助手席に乗って、たまには僕と一緒に景色を見ました。

一緒にいてくれたと思います。
そして、僕本位の旅のコースに少々退屈しながらも、あかねが暮らした小さな港町や、高知の海底館をみて懐かしんでくれたと思います。
小豆島でも、
「そういや、昔せいじくんと来たことあるよね?」
と、結婚前のことを思い出してくれたと思います。

あかね、少しは、愉しんでくれたか?

僕はほんとうにあかねと二人で旅をしている気がしてきて、このまま放浪を続けたい気持ちに何度も駆られました。
しかし、僕はまだまだ現実を生きなければいけない。
まだまだ何もかもを捨てて世捨て人になるわけにはいきません。
放浪への憧れを何とか断ち切って帰路につきました。

でも、今回の旅で日頃以上にあかねを身近に感じたことは確かです。

だから、

暖かくなったまたどっか行こうな、あかね。

20120126_6.jpg
↑小豆島の高台から見た瀬戸内の風景

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コメント:

No title

むらさきさん
素敵な感動的な旅のお話、有難うございます。
私まで一緒に行ってきた気分になりました。(あっ・・・・違いますね、あかねさんに怒られますね)

足摺海底館、海洋館は2年前に家族で行きました。
水族館もですが、その周りの風景が海が素敵ですよね!

小豆島は小学校の修学旅行で行きました。(28年前ですけど^_^;)
オリーブ園行ったな~って、懐かしく感じました。

先週命日が過ぎ・・・なんか不思議な感覚の中にいます。どう表現したらいいのか分かりませんが、冷静です。
毎日毎日夫の事は想います。でも淡々としている私がいます。
今日も昼休みに淡々と墓参りをしました。普通の口調で声に出して話し掛けます。またね~って帰りました。
私・・・おかしくなってきてるんじゃないかって不安になったりもします。
で、やっぱり夫に話しかけます。
こんな感じで歳をとっていくんでしょうね。

むらさきさん、風邪などひかないように栄養摂って下さいね。

Re: No title

serenaさん

コメントありがとうございます。
予告していた旅の記事を書き終えて、ちょっと肩の荷を降ろしました。


コメントを拝見すると、お気持ちが少し静まっているようですね。

僕も時折、淡々とした自分に気付くことがあります。
でも、今日アップした記事のような気持ちに逆戻りすることもあります。

あくまで僕の経験に限った話ですが、去年の春以来、心が少し軽くなったり、そしてまた沈んだりを繰り返しているような気がします。
心の針が、上か下かどちらか一方に振れっぱなしということはありません。

そして、この反復はひょっとしたら死ぬまで続けていくのかな?と思います。

でも、いつかは「下向き」を「上向き」が凌駕してくれる日が来るかもしれません。
そのためにも、歳を積み重ねていかなければいけないのだろうと思います。


今日はちょっとだけ暖かかったけど、明日からはまだ寒波襲来のようです。
僕が行ったときも高知は寒かった!
ご自愛ください。

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お知らせ
これまでにほんブログ村の「子宮がん」カテゴリに参加していましたが、思うところがあり、登録をはずさせていただきました。ご了承ください。
プロフィール

むらさきせいじ

Author:むらさきせいじ
2011年春、妻をなくした40代です。
本当に本当にありふれた人間ですが、人生の半ばともいえる40代で世界中でいちばん大切な人を喪失したことはそれなりに特異なことだと思います。
そんな状況におかれた心情を綴っていくことで少しでも心が解放されたらと思っています。
プロフィールのサムネ画像は、妻が描いた僕の顔です。

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