いつもふたりで

Category : 吐息とも吐かないつぶやき

今週は仕事で毎日遅くなり、日付変更線を越えての帰宅が続いています。

走っている車もまばらでスイスイ走れる帰路を経て、自宅マンションの駐車場に車を乗り入れる時、自然と目線が3階にある自室のベランダに向いてしまいます。

数ヶ月前にはそこには灯りがともっていました。

「もしかして・・・。」
とあるはずのない期待を込めて見上げる自室のベランダはやっぱり闇に包まれたまま。

当たり前のことです。
そこには「僕しか」住んでいないのですから。
その「当たり前」を受け入れることに、ささやかな抵抗をしたくなる気持ち。
この気持ちが消える日が果たして来るのか?

以前、どんなに遅くなり、どんなにドロドロに疲れて帰ってきてもそこにはあかねの
「おかえりぃ!」
という声が待っていました。

どんなに遅くなろうが、「先に寝ておけ」と伝えておこうが、彼女は僕の帰宅時にはベッドの中でなくリビングにいました。

そんなあかねのおかげで、僕は毎日、一日の残り僅かの時間帯を独りではなく二人で過ごせることが出来ていました。
その時は思い及ばなかったのですが、このことで僕の心は日々メンテナンスされていたのではないかと思います。

必ず一日の最後にあかねの顔を見て、言葉を交わす。

そんな短いひと時で仕事で磨り減った僕の心は再び満たされていたのだと思います。

だからなのか?
僕は今も、実体をともなった彼女はいませんが(見えませんが)、彼女に語りかけています。
自分でもおかしいくらい、本当にあかねがいるかのように声を出して話します。

仏壇の花が枯れてしまったら
「あっ!悪ぃ、あかね!あした花買ってくるから」

洗濯の替えがなく、持って行くハンカチがなかったら
「今日ちょっとあかねのハンカチ借りるよ」

僕の心の深層部分には、

「今もあかねは僕のそばにいる」

という誰からの否定も受け付けない固い信念があるのだと思います。


いまも、これからもふたりで。

実体は失ってしまったけれど、これからの先の毎日も

「僕はあかねと一緒に歩いている」

という感覚だけは喪失したくありません。

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むらさきせいじ

Author:むらさきせいじ
2011年春、妻をなくした40代です。
本当に本当にありふれた人間ですが、人生の半ばともいえる40代で世界中でいちばん大切な人を喪失したことはそれなりに特異なことだと思います。
そんな状況におかれた心情を綴っていくことで少しでも心が解放されたらと思っています。
プロフィールのサムネ画像は、妻が描いた僕の顔です。

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