小さな旅_2

Category : 旅ログ

昨夜、ずいぶん情けない独り言をアップしてしまい、心の凹みにさらに自ら追い討ちをかけてしまったので、気持ちを盛り返すべく出掛けてみました。

行き先は、車で2時間ほどの鍾乳洞です。

なぜそこなのか?というと・・・

以前あかねは、VTRのハンディカメラを持っていて(今でもうちのクローゼットに眠っていますが・・・)、どこかに出掛けたときは、そのカメラでよく撮影をしていました。

昨年、あかねが亡くなった後、
「動いて、話もするあかね」を視たくて、その時にはもう我が家には無かったVTR再生用デッキをあらためて購入し、VTR録画されていた動画をHDDに落としました。
それ以降、思い出しては再生して視ていました。

そのVTRの中に、どうしても僕の記憶にない場所がありました。
それが、今日訪れた鍾乳洞です。

VTR画面の下隅には「1994.5.28」とありました。
結婚する2年半ほど前です。
今から18年前です。
あかねも僕も映っているので、間違いなく一緒に行ったはずですが、どうにも実体をともなった思い出として蘇ってきません。

それじゃあ・・・ということで、その思い出が降りてきて、胸の中にしっくりと収まるように、その場所に行ってみることにした。
というわけです。


10時前に出発して、午前中のうちには目的地に到着しました。

駐車場から鍾乳洞入り口に続く道の右手には、土産物屋や食事ができる店が軒を並べています。
そばの川に流れ落ちる、大きな滝も見えます。

20120513_1.jpg
<ビデオに映る滝>

20120513_2.jpg
<今日撮った写真>


「はいはい、確かにビデオで視たとおり」

しかし、ここに来た、という実感は残念ながら降りてきませんでした。

なんでだろう?
18年も昔のことだからか?

でも、確かに18年前のこの季節、二人でここに来ていました。
26歳と28歳でした。
ビデオに映る僕の髪には一本の白髪もなく、あかねも滅多にしなかったメイクをしていました。


きっと、行き先なんてたいした問題じゃなかったのだと思います。
結婚してからは、旅行に行くときはそれなりに目的地について熟慮しましたが、
一緒に出かけること自体が大イベントだったこの頃は、二人で行ければどこでも良かったんだと思います。
だから、「場所」そのものに対しての記憶はさほどのものではなかったのかもしれません。
(と、無理やり決着をつけました。)

※実は、VTRの中に土産物屋兼食堂みたいなところで、僕がざるそばをすすりながらあかねと話している映像があるのですが、ここのくだりだけは覚えがあります。場所の記憶は飛んでいますが、そんなあかねとのやり取りだけは記憶に残っています。


「せいじくん一緒に来たじゃん!」

都合よく疑問に幕引きをした僕に向かって、今日も小さな額に収まって助手席に乗っていたあかねは怒ったかもしれません。

でも・・・
今日ひとりで歩いてみた鍾乳洞内部はとても通路が狭く、急坂も多くてかなりの難コース(全長1.2キロもある)でした。
こんなところを、体力には絶対の自信が「無い」あかねが踏破したとは思えず、

「ほんとうに一緒にここ歩いた?」

と、二人でここを歩いたことがやっぱり架空のことのように思えました。
18年前はあかねも若かったということか。

20120513_3.jpg
<いちおう、鍾乳洞内の写真を一枚。天井に向かって裂けた空洞です。>



午後3時前には帰宅しました。
往復の移動時間が約4時間。
目的地での滞在時間は1時間くらいの計算です。

ひとりで出掛けても、時間を持て余すだけで、さっさと帰ってきてしまいました。

「今、あかねと一緒にどこかに行けるなら、あの頃以上に場所なんてどこでもいいんだけどな」

気持ちを盛り返すはずが、かえって返り討ちを食らってしまった感じです。


にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村
関連記事

スポンサーリンク

コメント:

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

5月13日に秘信をくださった方へ

コメントありがとうございました。

生涯を終えるまでの時間をどう埋めていくか?
は、普通のひとにとってももちろん大切なテーマですが、
僕達のような“遺された者”にとっては、本当に切実な課題です。

楽しい・嬉しい・幸せ・・・というような、「時が過ぎるのが早い」と思わせる感情を
ごっそり削られてしまったので、これから先の人生が永遠に思えるくらい長いです。

かと言って、暗がりでじっと息を潜めて、じりじりとしか進まない時計の針をただ睨んでいるわけにもいかず・・・。 

今日も答えが出ないまま、もがいています。
いつの日か、突破したいなー、とは思っています。


カード引いてみました。(このカードのことを聞いたのは初めてです)
「傾聴」というアドバイスが出ました。
もともと殻をつくって、独りよがりになる傾向のある性格なので、他人の話にも素直に耳を傾けるように努めてみます。
非公開コメント

お知らせ
これまでにほんブログ村の「子宮がん」カテゴリに参加していましたが、思うところがあり、登録をはずさせていただきました。ご了承ください。
プロフィール

むらさきせいじ

Author:むらさきせいじ
2011年春、妻をなくした40代です。
本当に本当にありふれた人間ですが、人生の半ばともいえる40代で世界中でいちばん大切な人を喪失したことはそれなりに特異なことだと思います。
そんな状況におかれた心情を綴っていくことで少しでも心が解放されたらと思っています。
プロフィールのサムネ画像は、妻が描いた僕の顔です。

むらさきあかねのブログ
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
counter
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
カテゴリ
最新トラックバック
リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR