そのボタンとは、

火葬場の点火ボタンです。

このブログを訪れてくれる方々の中には、
そのボタンを押された方もいらっしゃるのではないでしょうか。


僕はそのボタンを押しました。

押す時、
あかねの両親には、
静かに、
声をかけたと想いますが、
なんと声をかけたか覚えていません。

覚えているのは、

僕には何の躊躇もなかったということです。

僕は、あかねの身体の悪いところを、
ぜんぶ焼いて、
あかねを楽にしてやりたかった。

その想いにとらわれれていました。

ほんとに、
何の躊躇もなかった。

火葬場のひとが、
「お気持ちが決まられたら、押してください」
みたいな言葉をかけてくれましたが、

間髪入れずににボタンを押した、
と、思います。

僕は、
一刻も早く、
あかねを楽にしてやりたかった。

「悪いところも全部焼いてもらえー」

僕は火葬の前、
あかねの遺体に向かって、呪文のようにつぶやいていました。


あかねは、煙と同じくらい、
その身体を軽くしてくれただろうか?

おもしをはずしてフワフワと、
気持ちよく身体を浮かして、
清らかな世界へ昇っていっただろうか?


天に昇るには少し重すぎた、
あかねの骨を骨壷に収めて、

僕は、
魂の抜けたはずの、
あかねが遺してくれた、
白い形見を、
帰りのタクシーの中で抱きしめて、

あかねを抱きしめるのは
いつ以来だろう?

と考えると、
泣けて、泣けて、
しょうがありませんでした。


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これまでにほんブログ村の「子宮がん」カテゴリに参加していましたが、思うところがあり、登録をはずさせていただきました。ご了承ください。
プロフィール

むらさきせいじ

Author:むらさきせいじ
2011年春、妻をなくした40代です。
本当に本当にありふれた人間ですが、人生の半ばともいえる40代で世界中でいちばん大切な人を喪失したことはそれなりに特異なことだと思います。
そんな状況におかれた心情を綴っていくことで少しでも心が解放されたらと思っています。
プロフィールのサムネ画像は、妻が描いた僕の顔です。

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