さっきまで奥さんを癌で亡くした歌人の方のドキュメンタリー番組を見ていました。

その方は奥さんも歌人で、奥さんと過せる時間が限られてからも、お互いに歌を詠みあっていたようです。

奥さんの詠んだ歌は、おそらくはその時その時の奥さんの心を鮮明に映していたのだろうと思います。そして旦那さんは、その奥さんの歌によって、奥さんの命の終着点の直前まで、奥さんの率直な心持ちを理解してあげられたのではないかと思います。

語弊を恐れずに言うと、それが僕には少し羨ましい。

あかねは最期の数日間は僕ら家族に「自らの意思」を伝えることが出来る状態ではありませんでした。
痛み止めの影響でほぼ声を発することも無くなっていました。
いえ、それ以前の発声が出来る段階でも上手く発音できず、僕たち家族は彼女の「意思」をきちんと理解してあげることが出来ませんでした。

彼女が、自らの人生の最期の数日間で僕たちに伝えたかったこと。

それを解ってやれなかったことが、僕にとっていちばん「哀しい」ことだったかもしれません。
いつかあかねのそばに逝けたなら、あかねの言葉を聞いてあげられなかったことを謝りたい。
そして改めて「あの時、何を」僕たちに伝えたかったのかを教えてもらいたい。
・・・その時聞けたとしても、あまりにも遅いのだけれど・・・。



番組中、すごく共感を抱く歌がありました。
歌そのものは一字一句正確に記憶していませんが、

“時間が解決してくれると人は言うけれど、時間とともに君の記憶が薄れていくことは悔しい”

という意味合いの歌でした。

・・・とてもよくわかります。
時間の経過とともに心が軽くなるということは、あかねの記憶がそれだけ風化していくこと。
それには必死に抵抗したいと思います。
あかねを僕の心の中で「小さく、軽く、薄い」存在には決してしたくありません。

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プロフィール

むらさきせいじ

Author:むらさきせいじ
2011年春、妻をなくした40代です。
本当に本当にありふれた人間ですが、人生の半ばともいえる40代で世界中でいちばん大切な人を喪失したことはそれなりに特異なことだと思います。
そんな状況におかれた心情を綴っていくことで少しでも心が解放されたらと思っています。
プロフィールのサムネ画像は、妻が描いた僕の顔です。

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